現在、障害者総合支援法では対象者の意思をできるだけ尊重し、在宅での生活が続けられるよう支援することが求められています。そのため障害があるからといって病院に長期入院となるケースは少なくなってきています。けれども、障害者の望むように在宅での生活ができているかというと、そうではありません。特に身体的・精神的に重い障害を抱えており、常時介護が必要な方の場合、退院後は障害者支援施設に入所することが多いです。
介護者の高齢化・サービス不足などにより、在宅では十分な介護を得られない恐れが高いからです。しかし、重度障害者の多くは、退院後在宅で生活したいと考えています。つまり、重度障害者の多くは在宅での生活を望んでいるにもかかわらず、障害者支援施設に入所しなければならない状態となっています。対象者の意思に沿った支援を十分行うことができていないのが現状なのです。そこで現状改善のために必要なのが、介護者への支援です。
常時介護が必要になると、それだけ介護者に負荷がかかり、在宅での生活が難しくなります。在宅での生活を続けるためには、介護者への負荷を減らすことが重要となります。具体的には訪問介護等、在宅で利用できるサービスの質・量の充実等が挙げられます。また、定期的にショートステイ・通所介護を利用することで、介護者への負担は軽減されます。気軽にショートステイ・通所介護が利用できるよう、障害者支援施設の体制を整えることが重要なのです。